いわゆるシューカツには誤解があるよね、という本。
書かれていることはごくまっとうで、結局、面接官との相性だから、社会人としての礼儀をわきまえたうえで、自分をそのまま出していけばいいというもの。
相性が良ければ内定が出るし、悪ければ出ない。身も蓋もない話である。
そうはいっても、優秀な人は存在するが、就活対策で優秀な人のふりをしても、面接を重ねれば嘘くささが出てしまうものである。
ただし、志や意識の高さをぜんぶ「嘘」だとして、切って捨ててしまうのはもったいない。
本書の内容のすべてを信じる必要はないが、参考になる部分はたくさんある。
最後に著者が４年間で博報堂を辞めてしまった理由が出てくる。
博報堂のような大手になると、少し意識を低くすれば、仕事を丸投げするだけの中間業者になることができる。
その場にいなくてもいいのに、現場の人間よりも多額の給料をもらっていることに嫌気がさしたと告白している。
これ、すごくまっとうな感覚だと思うのだけど、そんなこと考えてなさそうな人に出会うこともよくある。
著者の本を見つけるとつい読んでしまうのは、このへんのまともさがあるからだ。
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